【完全版】ビルトインガレージ付き3階建ての間取りの注意点と活用例を紹介!
2023.09.27
ビルトインガレージとは、建物内に駐車スペース「ガレージ」を設ける間取りの手法です。
開口部にシャッターやドアを施すことで、防犯対策にもなり得ます。
自宅内でいつでも自動車に乗降できる点もメリットです。
ここでは、3階建てのビルトインガレージの間取りの注意点や活用例についてご紹介します。
<この記事でわかること>
ビルトインガレージとは、建物内に”ガレージ”が設営された状態を指します。
種別 |
概要 |
---|---|
青空駐車場 |
駐車スペースだけが設けられた駐車場 屋根や壁は存在しません |
カーポート |
駐車スペースの周囲に柱を建てて簡易的な屋根を施したもの |
ガレージ |
屋根付きで壁に囲まれた駐車スペース シャッターやドアが付いているものも含まれます |
自動車がまるまる収納可能な屋根付きで壁に囲まれた空間です。
シャッターやドアにて外部を遮断するタイプも含まれます。
自宅に駐車スペースが確保できるため、3階建ての家や狭小住宅にも採用される間取りです。
ビルトインガレージの広さの目安となるものに、国土交通省発表の「駐車場設計・施工指針について」があげられます。
種別 |
内容 |
---|---|
軽自動車 |
車体の長さ:3.6m 車体の幅員:2.0m 高さ(車室):2.1m |
小型乗用車 |
車体の長さ:5.0m 車体の幅員:2.3m 高さ(車室):2.1m |
普通乗用車 |
車体の長さ:6.0m 車体の幅員:2.5m 高さ(車室):2.2m |
普通乗用車のサイズでビルトインガレージを設ける際には、6.0m(長さ)×2.5m(幅)=15㎡(4.54坪)のスペースが最低限必要です。
乗降時のドアの開閉を踏まえた場合、車幅に0.6mから0.9mをプラスするとより正確な数値に近づきます。
余裕を持った作りを望むのであれば、6.0m(長さ)×3.1m~3.4m(幅)=18.6㎡(5.63坪)~20.4㎡(6.17坪)以上で設定すると良いでしょう。
3階建ての家にビルトインガレージを設営することで、次の4つのメリットが得られます。
狭小住宅でも駐車場が確保できる点が、3階建てビルトインガレージのメリットのひとつです。
月極駐車場の場合、エリアによっては高額な駐車料金が請求される可能性があります。
特に狭小住宅は市街地、しかも都市部に建てられるケースも少なくありません。
3階建ての家であれば、以下の間取りも無理なく実現可能です。
3階建てのビルトインガレージのメリットには、愛車をいたずらや雨風から守れることも含まれます。
ボディに傷をつけられたりタイヤなどの部品の盗難など、屋外での駐停車にはリスクが伴うのは否めません。
ビルトインガレージであれば愛車を屋根付きの場所に収納できるため、リスク回避にもつながります。
雨や雪や風にてボディの表面が傷むのを防ぐことも可能です。
3階建ての家の場合、1階部分にビルトインガレージを設けることから、建物内での車の乗り降りが標準仕様となり得ます。
雨に濡れることもなく、強風に煽られることもなく、車と家を往復できるということです。
借りている駐車場によっては、徒歩や自転車、バイクでの移動が日常的に求められます。
買い物帰りで荷物が多いときや乳幼児や高齢者が乗降する際など、ビルトインガレージのメリットを実感するのではないでしょうか。
3階建てのビルトインガレージの用途は駐車場だけとは限りません。
比較的かさばりやすい大きめのものの収納や、書庫としての利用も可能です。
趣味やリモートワーク用のスペースに設定するやり方もあります。
子どもの遊び場として開放するのも良いかもしれません。
3階建てビルトインガレージには、駐車場の確保や防犯対策などのメリットが得られる一方で、以下のデメリットが生じることも考えられます。
3階建てビルトインガレージでは、建築費用が高額化するケースが見受けられます。
3階建てビルトインガレージの建築の際には、自動車が乗り入れられる開口部を1階に設けることが必要不可欠です。
そのため、設計時に耐震性や耐久性を踏まえた構造計算が求められます。
土地の地質調査や地盤調査も行っておいたほうが無難でしょう。
建物を強固にするためには木造建築ではなく、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の採用も視野に入れたほうが良いかもしれません。
3階建てビルトインガレージのデメリットには、居住スペースが狭くなる点も含まれます。
1階部分の大半が駐車スペースとなることが一番の理由です。
対処法としてリビングや寝室などを2階や3階に配置し、1階に水回りをまとめるやり方もあります。
二世帯住宅の場合には、親御さんの生活スペースを1階に設けることで移動の負担が軽減されます。
車のエンジンやシャッターの開閉の際の音も、3階建てのビルトインガレージのデメリットと捉えられる可能性があります。
車のエキゾーストノートを心地よく感じる方がいる一方で、単なる騒音としか聞こえない人も存在するためです。
シャッターの開閉音も例外ではありません。
ちなみにエンジン音においては防音対策が効果的です。
遮音性に優れた素材をガレージ周りに施すことがカギとなり得ます。
シャッターの開閉音は、電動シャッターの採用で緩和できるかもしれません。
特に密集地の狭小住宅の場合には、音漏れの対策を万全にしておきたいところです。
3階建てのビルトインガレージでは、階段の昇り降りが増える点もデメリットのひとつです。
1階部分の大半が駐車スペースで占められるため、2階や3階に居住スペースを設けざるを得ません。
必然的に階段の移動が増えることにつながります。
負担の軽減にはリビングを2階に配置する、水回りを可能な限り1箇所にまとめるなどの工夫が必須です。
将来的にホームエレベーターの設置も視野に入れておくと良いでしょう。
3階建てビルトインガレージの間取りを決める際には、次の注意点を確認しつつ進めていきたいところです。
ビルトインガレージを後から拡張することは非常に困難です。
建物と一体化しているため、建て替える必要に迫られます。
仮に軽自動車の大きさでビルトインガレージを設定した場合、普通乗用車に買い替えた際に車の出入りができなくなることもあり得るでしょう。
家族構成によっては、2台目の自動車を購入することも想定されます。
種別 |
内容 |
---|---|
軽自動車 |
車体の長さ:3.6m 車体の幅員:2.0m 高さ(車室):2.1m |
小型乗用車 |
車体の長さ:5.0m 車体の幅員:2.3m 高さ(車室):2.1m |
普通乗用車 |
車体の長さ:6.0m 車体の幅員:2.5m 高さ(車室):2.2m |
基本的には普通自動車のサイズで設定し、敷地面積に応じて2台目以降の駐車スペースをどうするか?を検討すると良いでしょう。
ビルトインガレージではガレージ内にて車のエンジンを起動するため、排気ガスが充満しやすい環境です。
排気ガスが2階や3階の居住スペースに流れ込まないよう、換気対策を施す必要があります。
開口部の向かい側への換気扇や、換気用の窓の設置が現実的な対処法です。
ビルトインガレージに収める愛車が電気自動車の場合、別途電気工事が必要となります。
200Vの充電用コンセントが設置できる環境(ブレーカー)であることが大前提です。
充電の際には15Aが使われるため、契約アンペア数の見直しが求められるケースも想定されます。
契約アンペア数に応じて月々の電気料金も変動するため、家庭全体での電気の使用状況の確認から始めると良いでしょう。
ビルトインガレージは延床面積に応じた固定資産税が課せられます。
ビルトインガレージへの電動シャッターの設置も、固定資産税の加算対象となり得るかもしれません。
ただし、全体の延床面積の5分の1未満でビルトインガレージを設置した際には、容積率の緩和措置が適用されます。
緩和措置の適用後は、容積率の算出時にビルトインガレージの延床面積が含まれません。
ここからは、3階建てビルトインガレージの活用例をご紹介します。
ビルトインガレージを駐車スペース以外にも使いたい方は、是非とも参考にしてください!
ビルトインガレージの空きスペースを倉庫として用いるパターンもあります。
2階や3階に持ち上げるのが厳しい荷物などの置き場にすることで、日々の負担を軽減することも可能です。
スキーやスノーボードなど、限られた季節にしか使用しないグッズの収納場所にするのも良いかもしれません。
ビルトインガレージの広さにもよりますが、子どもの遊び場として開放するのもひとつの方法です。
夏はビニールプールを配置したり、流しそうめんやバーベキューを一緒に味わうのも良いかもしれません。
屋内でもあり屋外でもある、そんなプライベートな空間が作れることもビルトインガレージの魅力の1つです。
趣味のスペースとして使用するパターンも、ビルトインガレージの活用例のひとつです。
車の整備やアウトドア用品のメンテナンス、プラモデルの作成や書庫を設けるなど、ご自身のアイディア次第で無限の可能性が広がります。
ここまで、3階建てのビルトインガレージの間取りの注意点や活用例について紹介してきました。
ビルトインガレージは車の維持費用の節約や、防犯対策などのメリットが得られます。
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