都市部のマイホームには3階建ての家がおすすめ!メリットや注意点を徹底紹介!
2023.07.30
3階建ての家は部屋数や床面積を確保しやすく、狭小地などの変形地にも向いている住宅です。
同じ土地の広さでも間取りのバリエーションが広がります。
都市部での一戸建てを希望する方にもおすすめです。
ここでは、3階建ての家のメリットや注意点、建てる際の工夫点やおすすめの間取りをご紹介します。
<この記事でわかること>
3階建ての家ならではのメリットとして、次の6つがあげられます。
3階建ての家を選択することで、部屋数と床面積の確保がしやすくなるのはメリットのひとつです。
交通アクセスの良好なエリアでは、土地の価格が高額化する傾向があります。
仮に狭小地などの変形地であっても、3階建ての家ならば必要な部屋数を設けることも難しくありません。
たとえば20坪(66.12㎡)の土地で建ぺい率40%の場合、2階建ての家ならば16坪(52.896㎡)が上限です。
同じ条件で3階建ての家の場合、24坪(79.344㎡)まで上限が拡大します。
3階建ての家の周辺に高層住宅などが少ないことが条件ではありますが、比較的眺めの良い景色を楽しめる点もメリットに含まれるでしょう。
特に周辺に2階建てや平屋が多いエリアの場合、3階の窓や屋上より景色を眺めたとしても、外から見られることをさほど気にしなくても良いかもしれません。
3階建ての家は2階建てなどと比べて部屋数が増えることから、間取りのバリエーションが豊富な点もメリットです。
二世帯住宅であれば、1階を親世帯が過ごす部屋として設定するやり方もあります。
1階や地下に防音室を設けて楽器の演奏や、カラオケスペースとして活用するのも良いかもしれません。
車やバイク、キャンプギアなどのメンテナンス部屋、インナーガレージを作ることも可能です。
屋上の活用も、3階建ての家ならではのメリットと言えるでしょう。
ルーフバルコニーの設営にて、飲み物を片手にのんびりと夜景を眺めることも日常生活に加えることが可能です。
混雑とは無縁の環境で、桜の花や打ち上げ花火を愛でることにもつながります。
落下防止の措置も施しておくと、より安全性が高まるでしょう。
ワンフロアの高さを3mとして算出した場合、3階建ての家の高さは9mです。
一方で2階建ての家屋の高さは6mとなります。
日当たりや風通しを活かしやすいのも、3階建ての家で得られるメリットです。
窓の位置を高めに設定することで、朝のまばゆい陽の光が空間を照らします。
ときどき天窓を開けて、自然の優しい風を部屋に呼び込むのも良いかもしれません。
部屋の換気にもつながります。
河川が近い土地の場合、豪雨などによる自然災害のリスクも踏まえておきたいところです。
3階建ての家であれば、2階や3階部分に生活スペースを設けられます。
仮に1階部分が浸水に遭った際にも、3階に避難することが可能です。
必ずしも避難所が近隣であるとは限りません。
土地の購入前にはハザードマップを確認することをおすすめします。
3階建ての家には景観や風通し、部屋数や床面積の確保などのメリットが得られる一方で、以下のデメリットおよび注意点が生じる可能性があります。
3階建ての家は2階建てと比べて、階段の昇り降りの回数が増える傾向があるのは否めません。
掃除や洗濯、日用品や食品などの買い物の後などで、知らず知らずのうちに階段を使って移動することになります。
トレーニング代わりとして捉えるのも良いのですが、年齢を重ねるごとに負担が増してくることはイメージしておきたいところです。
解決策として、以下のようなパターンが想定されます。
1階と2階の移動で用足りる形にしておくと、階段の昇り降りの回数が少なくなるでしょう。
そのほかには、あらかじめホームエレベーターを設置するスペースを設けておくのも良いかもしれません。
狭小地などの3階建ての家は、フロアごとの面積が少なくなりがちです。
部屋の割り振りによっては、動線の複雑化を招くことも。
1階から3階まで何度も何度も往復することは避けたいところでしょう。
洗濯ごとの階段の往復を減らすためには、物干しのスペースと洗濯機を近づけたり、乾燥機能が装備された洗濯機を導入するのもひとつのやり方です。
フロアごとの階段や廊下をあえて仕切らないのも、スペースの有効活用および動線の確保へとつながります。
建物が高層になればなるほど、大きな揺れが生じやすいのは確かです。
平屋や2階建てよりも、3階建ての家のほうが揺れが大きくなることは理解しておきましょう。
鉄道の線路際や交通量の多い道路沿いは、電車や大型トラックが通行するたびに揺れが起こりかねません。
強風や地震といった自然由来の揺れにも備えたいところです。
そのためにも、耐震性の高さを意識した構造躯体の選択をおすすめします。
設計の時点できちんと相談しておくと良いでしょう。
周辺の環境によっては採光計画が難しくなりがちな点も、3階建ての家の建設時に注意したいところです。
特に両隣に3階建てや高層階の建物が立ち並ぶエリアは、1階部分や2階部分の日当たりが芳しくない状況を招きやすいかと思われます。
できれば土地を選ぶ際に日当たりを意識すると、スムーズな採光計画に導く可能性が高まるでしょう。
地域で定められた建ぺい率よりも低めに居住スペースを設けることも、日当たりや風通しの良さにつながります。
3階建ての家は、屋内の温度差が大きくなる点も踏まえておきましょう。
暖かい空気は上昇しやすく、冷たい空気は下へ下へと向かうことがその理由です。
エアコンや暖房器具の負担を減らすためにも、建築の段階で断熱性や気密性に長けた仕様の選択が重視されます。
快適な3階建ての家を建設するためには、建築基準法で定められた規制を無視することはできません。
土地(敷地面積)に対して建物(建築面積)が占める割合です。
建築面積は建物を真上から見た状態での広さを数値化しています。
同じ20坪(66.12㎡)の土地で建ぺい率40%で算出した上限は以下のとおり。
2階建てよりも3階建ての家のほうが、より多くの居住スペースを設けられます。
容積率は、土地(敷地面積)の中での延床面積の割合を示します。
特に3階建ての家において、容積率は建物の高さの上限を決めるための基準値のひとつです。
たとえば第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域では、50%や60%、80%や100%、150%や200%のいずれかの容積率が適用されます。
地域ごとに定められた建設可能な建物の高さの制限です。
第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域の場合、10mもしくは12mまでの絶対高さ制限が設けられています。
上記の用途地域にて3階建ての家を建てる際には、高さの上限を10mまたは12m以内に収めなくてはなりません。
3階建ての家の建設には、日影規制も関わってきます。
日影規制は、建物周辺の日照時間に応じた建物の高さの制限です。
1年で最も昼間の時間が短い冬至(12月20日から22日頃)が、日照時間の基準となっています。
第一種低層住居専用地域と第二種低層住居専用地域の日影規制の一例です。
項目 | 内容 |
---|---|
建築規制 | 軒高7m超 地上3階以上 |
敷地境界線より5mから10mまでの日影時間 | (一)3時間 (二)4時間 (三)5時間 |
敷地境界線より10m超の日影時間 | (一)2時間 (二)2時間30分 (三)3時間 |
測定水平面 | 1.5m |
建物の北側に面する住宅の日当たりを確保するための高さ制限です。
第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域や第一種中高層住居専用地域、そして田園住居地域にて、3階建ての家を建てる際に関係します。
建物の北側にルーフバルコニーを設営する理由のひとつです。
用途地域 | 基準となる高さ | 傾斜勾配 |
---|---|---|
第一種低層住居専用地域 | 5m | 1.25 |
第二種低層住居専用地域 | 5m | 1.25 |
田園住居地域 | 5m | 1.25 |
第一種中高層住居専用地域 | 10m | 1.25 |
第二種中高層住居専用地域 | 10m | 1.25 |
高さ20mもしくは高さ31mを超える建物に対する制限です。
第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域に建てられた、3階建ての家には適用されません。
前述した「絶対高さ制限」が定められていることがその理由です。
用途地域 | 基準となる高さ | 傾斜勾配 |
---|---|---|
第一種中高層住居専用地域 | 20m | 1.25 |
第二種中高層住居専用地域 | 20m | 1.25 |
第一種住居地域 | 20m | 1.25 |
第二種住居地域 | 20m | 1.25 |
準住居地域 | 20m | 1.25 |
近隣商業地域 | 31m | 1.25 |
商業地域 | 31m | 1.25 |
準工業地域 | 31m | 1.25 |
工業地域 | 31m | 1.25 |
工業専用地域 | 31m | 1.25 |
道路側に面する建物の高さ規制です。
3階建ての家などの建物が接道する幅員に応じて定められています。
第一種低層住居専用地域および、第二種低層住居専用地域の道路斜線制限は次のとおり。
容積率 | 適用距離 | 傾斜勾配 |
---|---|---|
200%以下 | 20m | 1.25 |
200%超から300% | 25m | 1.25 |
300%超から400% | 30m | 1.25 |
400%超 | 35m | 1.25 |
以下の3つのパターンのいずれかに該当する方は、3階建ての家に向いていると言えるでしょう。
2世帯住宅や1階部分を店舗として使用したい方にとって、3階建ての家はフロアごとの独立性を保つことに役立ちます。
仕事などで家を開ける時間が1日のうち大半を占める方にも、3階建ての家が役立ちます。
狭小地などに建設した3階建て住宅であれば、フロアの面積もあまり広くないため、掃除やメンテナンスの時間を短縮することも可能です。
交通アクセスの良好な都市部にて戸建住宅を希望する方にも、土地の広さに関わらず部屋数を多く設けられる3階建ての家は有力な選択肢となり得ます。
可能な限り3階建ての家を快適にするためには、次の3つの点を意識したいところです。
リビングは家族のくつろぎの場所です。
どの階からも移動のしやすい2階に配置することをおすすめします。
お風呂や洗面所などの水回りもリビングと同様の2階に配置することで、生活動線の確保につながります。
3階建ての家が「終(つい)の棲家」になることを踏まえた場合、廊下や階段などに手すりを設けておくことも大切です。
建築時になるべく段差も少なくしておくことや、エレベーターの設営も視野に入れておきましょう。
自家用車をお持ちの方には、ビルトインガレージがおすすめです。
3階建ての家の1階部分に駐車スペースを設けることで、大切な愛車を守ることにつながります。
3階建ての家の屋上をルーフバルコニーにすることで、いつでも開放感を味わうことが可能です。
よく晴れた日には、友人や仲間を呼んでバーベキューなどをするのも良いかもしれません。
3階建ての家の階段スペースを、「スキップフロア」としてデザインするのもひとつのやり方です。
フロアに奥行きをもたらし、採光計画にも役立ちます。
収納スペースとしての活用も、スキップフロアならではの用途です。
ここまで、3階建ての家のメリットや注意点、3階建てにおすすめの間取りについて紹介してきました。
3階建ての家は、狭小地などの変形地にも向いている住宅でもあります。
地域ごとの制限などを踏まえた上での快適なお住まいを実現するためにも、経験豊富な専門家であるKyosyoに一度相談してみてください。